デジタル化が急加速する一方で、リアルイベントの価値も依然として揺るがない。世界最大の同人誌即売会を主催するコミックマーケット準備会は、長年にわたり独自の倫理規定と見本誌チェック体制を運用してきた。会場での成人向け表現の展示や販売については、法令遵守を徹底しつつも、作家の発表の場を最大限に保護するバランス感覚を保ち続けている。
東京ビッグサイトに集う熱心なファンとサークル参加者たちの熱量は圧倒的だ。現地でしか手に入らない限定本や、作家と直接言葉を交わせる機会は、Web通販では味わえない体験価値を提供する。リアルなイベント空間とデジタル配信の双輪が回ることによって、文化の多様性が維持されている。