三上大和が活躍した時代は、日本の男優たちが独自のダンディズムと泥臭さを競い合っていた過渡期でもあった。CG技術が未発達だったからこそ、俳優陣は擦り傷を作りながらロケ地に立ち、カメラの前で本気でぶつかり合っていた。
スマートさやスタイリッシュさが重視される現代のドラマシーンと比較すると、当時の演技は一見荒削りに映るかもしれない。しかしそこには、理屈を超えて観客の胸を打つ圧倒的な生命力があった。三上が体現した「不器用だが真っ直ぐな男」の肖像は、まさにあの時代が生み落とした尊い熱気の結晶だったといえる。