過酷を極めた海外ロケにおいて、主演の堺雅人と富栄ドラムの間には本物の信頼関係が芽生えていた。堺雅人演じる乃木憂助とドラムの掛け合いは、事前の綿密なディスカッションと現場でのセッションから生まれたものだ。言葉が交わされない分、表情のコンマ数秒の遅れや視線の交わし方が重要な意味を持った。
福澤克雄監督は当時の撮影を振り返り、「ドラムは現場の雰囲気を一瞬で明るくする天性のスター性を持っていた」と絶賛する。烈日と寒暖差が襲うモンゴル奥地でのロケ中も、彼の存在がスタッフやキャストの精神的支柱となっていたというエピソードは、ファンの間でも温かい語り草だ。