カメラの前に立つタレントとしてのビートたけしと、レンズの裏側から人間を鋭く観察する映画監督としての北野武。ドキュメンタリー番組の制作現場や取材の過程で、彼が国内外の歴史的建造物や宗教施設に足を踏み入れる機会は決して少なくなかった。
芸能界という浮き沈みの激しい世界で長年トップを走り続けてきたからこそ、何百年もの時を越えて遺る建造物の持つ「変わらない強さ」に惹かれるのかもしない。虚飾を削ぎ落とした先にある本質的な価値。それを見極める眼差しは、彼がバラエティの第一線で見せる顔とはまた異なる、真摯な文化人としての素顔である。