日生の牡蠣がこれほどまでに高品質である裏には、地元の漁業者たちが数十年にわたり展開してきた環境保全活動がある。かつて高度経済成長期の護岸工事などで激減した「海のゆりかご」と呼ばれるアマモ(海草)の藻場を、漁師自らが種を拾い、海底に植え直す草の根運動を継続してきたのだ。
このアマモ場の再生により、魚介類の産卵場や稚魚の生息地が復活しただけでなく、水質浄化作用と潮流の安定化が劇的に進んだ。2026年現在、この取り組みは国際的な「ブルーカーボン(海洋生態系による炭素孤立)」の先進事例としても高く評価されており、持続可能な水産業のモデルケースとして世界中の環境ジャーナリストや研究者から熱い視線が注がれている。