2026年、なぜ東京の街は「赤」に染まるのか? 路上を急襲する空前のムーブメントと都市の心理について見逃せない 理由を厳選して解説いたします。

「去年の秋口あたりから、急に風向きが変わりました」

原宿で20年以上ストリートファッションを見つめてきたセレクトショップ店主、吉村雅人氏(48)はそう語る。これまで売れ筋といえば、黒、グレー、ネイビーといった無難で着回しの効く色ばかりだった。しかし2026年に入り、棚に並べた「赤」だけが即座に完売する異常事態が続いているという。

背景にあるのは、SNSで過剰に拡散された「ミニマリズム」や「アースカラー」に対する既視感だ。誰もが同じようなベージュのジャケットを着て、同じようなトーンでタイムラインを埋め尽くす。その均一化された世界に対する反動として、もっとも原初的で強烈な色彩である赤が選ばれた。主張することへの恐れを捨てた世代が、手軽に自己を誇示できるツールとして頭上を選んだのだ。