日本国内の映像制作シーンを語る上で、ドメスティックな枠組を完全に破壊したマイルストーンが存在する。『今際の国のアリス』が世界中に叩きつけたインパクトは、その最たる例だろう。主演の山﨑賢人が体現した生々しい葛藤と極限の心理戦は、緻密な舞台設計と相まって、アジアのみならず欧米の視聴者をも熱狂の渦へと巻き込んだ。
息もつかせぬスリリングな展開と容赦のないリアリズム。緻密に張り巡らされた伏線が回収されるたび、観る者は背筋を凍らせる。これまでの国内ドラマのスケール感を軽々と超越したこのサスペンス・スリラーは、Netflixオリジナル作品という自由な制作環境だからこそ到達できた表現の極北だ。ローカルな物語がそのままグローバルな熱狂に直結する。その確固たる前例を、日本のクリエイターと俳優陣が見事に証明してみせた。