ボカロピーとして既に異彩を放っていたAyaseのもとに届けられた、ひとつの奇妙な打診。「小説を楽曲化する新プロジェクトのメインコンポーザーにならないか」。その問いかけこそが、すべての始まりだった。物語の行間を読み解き、文脈を音符へと翻案する作業は、従来の曲作りとは一線を画す緻密な構築美を要求する。そこで不可欠だったのが、物語の主人公に憑依できる圧倒的な歌声だった。
検索の果てにAyaseが偶然見つけ出したのが、Instagramで弾き語りを投稿していた当時高校生のikuraだった。彼女の凛とした透明感と、感情の機微をダイレクトに伝える歌唱力に衝撃を受けたAyaseは、すぐさまアプローチを開始する。運命的とも言える出会いによって誕生したユニットは、結成直後から驚異的なシナジーを発揮。単なるボーカルとトラックメーカーの組み合わせを超えた、奇跡的な共鳴がここに結実した。