ラムネの象徴とも言えるあの独特な容器は、ただの懐古趣味で作られているわけではない。1884年(明治17年)、イギリス人実業家アレキサンダー・キャメロン・シムが神戸居留地で清涼飲料水として売り出した「レモネード」が、現在のラムネの直接のルーツとされている。彼が持ち込んだハイカラな飲料は、日本人の口に合わせてアレンジされ、瞬く間に全国へと広がっていった。
あの独特な首のくびれを持つ「ビー玉入りガラス瓶」は、イギリスのハイラム・コッド氏が発明したコッド・ネック・ボトルと呼ばれる仕組みに基づいている。王冠や金属スクリューキャップが一般化する以前、炭酸ガス自身の内部圧力によってビー玉をゴムパッキンに押し付け、密閉するという極めて合理的かつ力学的なアイデアだった。
瓶を傾けると首のくびれ部分に玉が引っかかり、飲んでいる最中に再び口を塞がない設計になっているのも見事だ。100年以上前に完成されたこの構造が、令和の現在もほぼ変わらぬ姿で現役を張っている事実に驚かされる。