海外からの旅行者にとって、日本の純喫茶文化は極めてユニークな観光資源として映っている。大手海外メディアやハイエンドな旅行ガイドブックで紹介されたことで、連日多くの外国人が訪れるようになった。
言葉が通じなくても、丁寧にいれられた珈琲と心地よい空間は万国共通の言語となる。しかし、観光地化によって地元の常連客が追いやられるようなことはない。朝の決まった時間には近所の老人がいつもの席で新聞を広げ、午後に外国人のバックパッカーがその隣で静かにペーストリーを味わう。異文化と世代が自然に交差する独特の温かみが、この場所には流れている。