大通りの華やかさから一歩路地裏へ足を踏み入れると、下通のもうひとつの顔が立ち現れる。雑居ビルの地下深く、看板すら出していない隠れ家バーや、創業半世紀を超える小料理屋には、舌の肥えた地元客が夜な夜な集う。カウンター越しに交わされる熊本弁の温かさと、手仕事の光る一皿。これぞ街の真骨頂だ。
その一方で、SNS世代の熱狂を呼ぶ新潮流も凄まじい。近年はNetflixの話題作のロケ地として取り上げられたレトロな路地や、人気クリエイターがYouTubeで絶賛したスイーツ店に長蛇の列ができる現象が日常茶飯事となった。動画を見て訪れた若者がリアルな路地裏カルチャーに触れ、新たなファンになっていく。デジタルの拡散力とリアルな街の奥行きが、見事なケミストリーを生み出している。