東出昌大の歩んできた道は、決して平坦ではなかった。かつて所属していた大手芸能事務所ユマニテとの契約解除は、彼にとって事実上の孤立を意味していた。スポンサーの撤退、仕事の激減、そして激しいバッシング。普通の俳優であれば復帰不可能と囁かれる状況のなか、彼は愚直なまでに泥臭い演技の道を選び直した。
実在のプログラマーを演じ切った映画『Winny』での好演は批評家から絶賛され、演技派としての再評価を決定づけた。さらに、彼の山暮らしと葛藤をありのままに捉えたドキュメンタリー映画『WILL』は、役者・東出昌大の虚飾を脱ぎ捨てた生の姿を刻み込み、多くの観客の胸を打った。どん底から這い上がった経験こそが、彼にしか出せない圧倒的なリアリティを与えている。