この市場がなぜ「大正町」と呼ばれるのかをご存じだろうか。歴史は明治時代に遡る。大正元(1915)年、この地域を襲った大火によって市場周辺は全焼という壊滅的な被害を受けた。その際、復興のために大正天皇から賜金(復興資金)が授与されたことに深く感謝し、町名を「大正町」へと改め、市場も現在の名前で再起を果たしたのだ。
何度も立ち上がってきた歴史があるからこそ、この商店街にはどこか骨太で温かい人情が通い合っている。店主とお客が気軽に会話を交わし、今日のおすすめや美味しい食べ方を伝授してくれるコミュニケーションは、マニュアル化された都市部の店舗では決して味わえない贅沢だ。