富士山は古くから創作の源泉であり、メディアの絶好の題材でもあった。江戸時代の浮世絵師・葛飾北斎が描いた『冨嶽三十六景』は、駿河(静岡)と甲斐(山梨)の双方から見える異なる表情を見事に捉えている。現在進行中の冨嶽三十六景プロジェクトでは、高精細デジタル技術を用いて北斎の視点を現代の景色と対比させる試みが世界中で評価を集めている。
映像の世界でも富士山は特別な存在だ。気象レーダー建設の死闘を描いた名作映画『富士山頂』は、過酷な自然に挑む人間のドラマとして語り継がれてきた。近年では、NHKオンデマンドが配信する高品質なドキュメンタリー番組で、山頂の所有権や地質学的な謎が詳しく掘り下げられ、幅広い世代に親しまれている。さらにNetflixなどのグローバルな動画配信サービスを通じて、富士山の雄大な景色と文化的背景は、世界中の視聴者へ向けてリアルタイムで発信されている。