原材料の高騰や後継者不足が叫ばれる昨今、地方都市の飲食シーンは転換期を迎えている。平塚市においても、長年愛されてきた個人店の暖簾をどう守り、次世代へ繋ぐかが大きなテーマとなっている。
しかし、現場の熱気は決して衰えていない。老舗で修行を積んだ若手が新しい息吹を吹き込んだり、異業種からの参入者が地元の食材を活かした新たなご当地麺を提案したりと、街全体で麺文化を進化させようというダイナミズムが生まれている。日本ラーメン協会の関係者も「平塚のように、唯一無二の郷土色(タンメン)と全国基準のトレンドが共存しているエリアは、飲食ツーリズムの観点からも非常に強いポテンシャルを持つ」と熱い視線を注ぐ。
流行り廃りの激しいラーメン界において、半世紀以上も同じ味を愛し続ける土壌があること。それは単なるブームではなく、文化として食が街に溶け込んでいる証拠に他ならない。