デリケートゾーンのトラブルは自己判断が難しく、誤った見立てが受診遅れにつながる。例えば、皮脂腺の増殖によって白いポツポツができるフォアダイス状態は生理的な現象であり、痛みを伴う嚢胞とは根本的に異なる。一方、激しい痛みを伴う疾患としては性器ヘルペスが挙げられるが、これは水疱や浅い潰瘍が多数発生するのが特徴であり、単一の球形しこりが膨らむバルトリン腺の病変とは病理構造が明確に違う。
日本産科婦人科学会の発信情報においても、外陰部に発生する腫瘤や潰瘍には、粉瘤(アテローム)、粉瘤感染、さらには極めて稀な悪性腫瘍まで多種多様な原因が存在することが指摘されている。単なる「できもの」と軽く見なさず、組織の硬さや病変の発生部位を客観的に観察することが重要だ。