キャンバスの上の激闘とは一転し、彼が長年にわたり心血を注ぎ込んできたのが陶芸の世界である。自宅に窯を造り、自らの手で土をこね、炎の気まぐれと向き合う。彼が作り出す徳利や茶碗は、無骨でありながら手にした瞬間にしっくりと馴染む不思議な温かみを持っている。
各地で個展を開催すれば即座に完売するほど高く評価されており、もはや趣味の域を完全に超えた一人の作家だ。「関節技も陶芸も一緒。相手の力や土の動きを無理に抑えつけず、流れを感じて滑らかに導くんだ」と語る言葉には、長年の経験から導き出された至高の美学が込められている。