NHKが手掛ける「連続テレビ小説」の作品像は、ここ数年でドラスティックな変化を見せている。かつての「健気で健常な主人公の奮闘記」という王道パターンから、現代の社会課題やジェンダー観を投影した深みのある作品へとシフトした。その象徴が、法曹界に飛び込んだ女性たちの苦闘と絆を描いた『虎に翼』だ。伊藤沙莉が見せたリアリティ溢れる演技は、単なる朝の娯楽を超えて幅広い世代での議論を呼んだ。
その熱量を受け継いだ『おむすび』では、橋本環奈が平成という激動の時代をたくましく生き抜くヒロインを軽やかに好演。食と健康という身近なテーマを通じ、若い世代からの共感を獲得した。さらに、アンパンマンの生み親をモデルとした『あんぱん』へとバトンが渡される中で、作品ごとの切り口の多様化がいっそう際立つ。時代背景は異なれど、一貫しているのは「生きていくこと」への温かな眼差しだ。