生放送の現場は、まさに一回性のライブパフォーマンスだ。カメラが回る直前まで推敲される原稿、刻一刻と変化する海外ニュースの打電。その中心に立つ彼は、ときにプロンプターの言葉をあえて脇に置き、己の肉声で語り始める。発言の裏側にあるのは、徹底した事前取材と徹底的な対話だ。
スタッフとの打ち合わせにおいて、彼は若手ディレクターの意見にも真摯に耳を傾けるという。権威に与さず、現場のフレッシュな違和感を拾い上げる。番組内で彼が見せるふとした沈黙や、ゲストへの予期せぬ問いかけ。それらはすべて、演出ではなく「事実の奥にある真実」にアプローチするための研ぎ澄まされたジャーナリズムのあらわれだ。