アブに刺されたら放置厳禁!激痛や猛烈な腫れを防ぐ救急対処法の特集記事をご紹介します。役立つ情報が満載です。

初夏から初秋にかけて水辺や森林地帯で猛威を振るうアブ(虻・Tabanidae)は、ハチのような毒針を持つ刺胞昆虫ではなく、皮膚を切り裂いて湧き出た血液をすする吸血性の双翅目だ。噛まれた瞬間に電気が走ったような激痛を感じるのは、文字通り皮膚組織が刃物のような口器で物理的に破壊されるためである。

さらに厄介なのは、アブが傷口に流し込む唾液成分だ。そこには血液の凝固を防ぐ抗凝固物質や血管拡張物質が含まれており、これが激しいアレルギー反応を誘発する。医学界で虫刺症(虫刺され)と呼ばれる病態の中でも、アブによる局所炎症の強烈さは群を抜く。日本ペストコントロール協会の調査でも、アブは二酸化炭素や熱、濡れたウェットスーツや車の排気ガスに強い誘引性を示すことが確認されている。水辺でのアクティビティ中に無防備な皮膚を晒す行為は、自ら標的になりにいくようなものだ。