なぜ、大学現場でこれほど特任教授のポストが急増したのか。その背景には、文部科学省が進めてきた高等教育および研究資金分配の改革が大きく影響している。
大学への基盤的経費である運営費交付金が削減傾向をたどるなか、各大学は外部から競争的研究資金を獲得しなければ満足な研究環境を維持できなくなった。それに伴い、トップダウンで推進される大規模な学術研究プロジェクトが乱立することになる。プロジェクトの実施期間は通常3年から5年程度であるため、その期間だけ機動的に動ける専門人材が必要とされたのだ。
大学側からすれば、固定費となる専任枠を増やさずに、外部資金の獲得状況に合わせてフレキシブルに人員を調整できる構造が完成したといえる。政策主導の資金供給構造の変化が、大学組織のあり方と特任枠の拡大を強力に推し進めた格好だ。