青森市の中心部を長年支えてきた商業地図が、根本から揺らいでいる。象徴的だったのは、津軽地方を代表する百貨店として親しまれてきた株式会社中三青森本店の経営破綻と営業終了だった。創業から100年以上の歴史を誇り、地下のフードコートから上層階の催事場に至るまで市民の思い出が詰まった巨艦の沈黙は、地域経済に激震を走らせた。
百貨店・総合スーパーが街の主役だった時代は、確実に転換点を迎えている。残るさくら野百貨店青森店をはじめとする大型商業施設も、激変する商環境の中で懸命な生き残りを模索する。だが、かつて当たり前のように存在した「休日に中心街のデパートへ出かける」というライフスタイル自体が、世代交代とともに薄れつつある現実は否めない。
街を歩けば、個人経営の衣料品店や老舗飲食店も静かに暖簾を下ろしている。売り上げの減少だけが理由ではない。経営者の高齢化と後継者不足が重くのしかかり、黒字を維持しながらも幕引きを選ばざるを得ないケースが後を絶たない。暖簾がひとつ消えるたび、街の歴史の1ページが失われていく。