1980年代初頭のメディアシーンにおいて、マリアンの登場はまさに青天の霹靂だった。資生堂のキャンペーンガールとしてスポットライトを浴びた彼女は、日本人離れした彫りの深い顔立ちと、南カリフォルニアの陽光を思わせるヘルシーな魅力で瞬く間に大衆の心を掴んだ。エキゾチックなハーフタレントの先駆けとして、彼女が画面に映るだけで番組の空気が一変した。
その人気を決定づけたのが、伝説の深夜ワイドショー『11PM』への出演である。愛嬌たっぷりの軽妙なトークと屈託のない笑顔、そして時折見せる大人のコケティッシュな表情。彼女は男性視聴者のみならず同世代の女性たちをも惹きつけ、日本の芸能界におけるタレントの立ち位置そのものを塗り替えていった。だが、スターダムの頂点に立ちながらも、彼女の内側には既存のアイドル像に収まりきらない、アーティストとしての表現欲求が静かに脈打っていた。