彼女の歩みは、常に時代の手触りを敏感に察知する嗅覚から始まっていた。深夜番組の伝説『11PM』のカバーガールやリポーターとして芸能界に足を踏み入れた若き日、彼女はすでに単なる被写体で終わるつもりはなかった。鋭い観察眼と物怖じしない物言いは、やがて来る主婦層からの圧倒的支持の下地を作っていく。
その才能が爆発したのが、身近な割り箸とキッチンペーパーを組み合わせた「マツイ棒」の発明だった。日常の些細な不便を解消するアイデアを商品化し、ミリオンセラーとなった著書やプロデュースした圧力鍋は飛ぶように売れた。主婦の知恵を巨額のビジネスへと変貌させたこの時期、彼女はすでに「自らをブランド化して収益を生み出す」という現代のビジネスモデルを先取りしていたのである。