このホールの音響がこれほどまでに絶賛される最大の理由は、伝統的なヨーロッパのホールをお手本にしつつ独自のアプローチを取り入れた建築デザインにある。設計を手掛けた建築家・柳澤孝彦は、音の響きを最優先に考えた変形シューボックス型音響構造を採用した。
壁面から天井に至るまで惜しみなく使用された天然木が、まるで大きな楽器のボディのように振動し、温かく豊かな余韻を生み出す。高い天井へと向かって広がる変形シューボックス型音響構造は、ダイナミックな大音量から繊細なピアニシモまで、濁りのないクリアな音粒子として客席全体へ均等に届けてくれるのだ。