事態をさらに複雑化させたのが、米連邦麻薬取締局による公式発表だった。捜査当局は危険ドラッグの蔓延を防止するため、押収した違法錠剤の写真をプレスリリースとして公開。そこには、鮮やかな青色に染められ、あのアニメ調の目玉が描かれた錠剤がズラリと並んでいた。
麻薬組織は若者の警戒心を解くため、流行のキャラクターやポップカルチャーのシンボルを密造薬物の刻印として悪用する。今回の事件もまさにその典型例だった。しかし、衝撃的なヴィジュアルだけがSNSで一人歩きし、「米連邦麻薬取締局がセサミストリート関係者を捜査中」という誤ったニュースとして爆発的に広がってしまったのだ。
情報通信のスピードが過熱する現代において、公式な犯罪報道が誤解を伴ってエンタメ的なゴシップへすり替わる恐怖を、今回の騒動は如実に物語っている。