このカルチャーの原点は2000年代後半にさかのぼる。韓国の動画配信プラットフォーム「AfreecaTV(アフリカTV)」で、配信者が視聴者とリアルタイムでチャットを交わしながら夕食をとる日常的な光景が始まりだった。当時勃興しつつあったライブストリーミング産業において、食事はもっとも手軽で親密なコミュニケーションツールだったのだ。
視聴者は配信者にチップを送り、「もっと辛いものを食べて」「次はそのチキンを一口で」とリクエストを出す。この双方向のやり取りが熱狂を生んだ。韓国国内のニッチな流行にとどまっていたモッパン(Mukbang)は、やがて国境を越え、英語圏の辞書にそのままのスペルで登録されるほどのグローバルキーワードへと成長していった。