フジテレビ系列で放送が始まった代表作『北の国から』は、日本のテレビ史における金字塔として今も語り継がれている。北海道富良野の極寒の中で行われたロケーション撮影は、単なるドラマ制作の域を超え、キャストとスタッフが文字どおり自然の脅威と向き合う壮絶なドキュメンタリーでもあった。
主演を務めた名優・田中邦衛との信頼関係は、作品の根幹を支える不可欠な要素だった。セリフ一つひとつの間や吐息、沈黙の意味に至るまで極限まで計算し尽くされた脚本に対し、役者が全身全霊で応える。吹雪の中で何十回も重ねられたテイクの裏には、互いの魂をぶつけ合うような妥協なき情熱が存在していた。