19世紀末、スウェーデンの化学者スヴァンテ・アーレニウスが提唱した「電離説」は、現代化学における水溶液の振る舞いを理解する基盤となっている。物質が水に溶けて陽イオンと陰イオンに分かれる現象(電離)を数式のように表したのが電離方程式だ。
例えば、塩化銅(CuCl₂)が電離する際、なぜ「Cu²⁺ + 2Cl⁻」となり「Cl₂⁻」とは書かないのか。その理由は、銅原子1個が放出した2個の電子を、2個の塩素原子がそれぞれ1個ずつ受け取るというミクロなドラマが存在するからである。この概念を頭の中でイメージできるようになると、電離方程式の係数合わせで迷うことは一切なくなる。