「風邪薬だから誰が飲んでも大丈夫」という思い込みは極めて危険だ。身体の状態や持病によっては、服用が命に関わる事態を招きかねない禁忌事項が存在する。
特に注意すべきは、閉塞隅角緑内障の患者と前立腺肥大症による排尿障害を抱える人だ。抗コリン作用によって眼圧が急上昇して失明のリスクを伴う急性緑内障発作を誘発したり、尿道が収縮して完全に尿が出なくなる尿閉を引き起こす恐れがある。また、消化性潰瘍のある人やアスピリン喘息の既往歴がある人も症状を悪化させるリスクが高いため、原則として服用できない。
他の医薬品との重複にも最大限の注意を払わなければならない。厚生労働省や医薬品医療機器総合機構(PMDA)の安全情報でも繰り返し警告されている通り、頭痛薬や生理痛薬、解熱剤を重ねて飲んでしまうと、アセトアミノフェンの過剰摂取となり重篤な肝障害を引き起こす危険性がある。
飲酒との組み合わせも論外だ。アルコールは薬の代謝を狂わせ、中枢神経抑制作用を異常に増幅させる。アルコールと同時に服用することは絶対に避けてほしい。