時計選びで最初の分水嶺となるのが、ゼンマイで動く機械式時計か、電池や光で動くクォーツ時計かという選択だ。
機械式時計、とりわけ腕の動きでゼンマイを巻き上げる自動巻きは、時計職人が緻密に組み上げた小宇宙を手首で愛でるロマンがある。チクチクと滑らかに運針する秒針を眺める時間は、慌ただしい日常における贅沢なひとときだ。定期的なメンテナンスさえ施せば、数十年単位で使い続けられる資産価値も魅力である。
一方で、実用性を最優先するならばクォーツ時計に軍配が上がる。月差±15秒以内という圧倒的な精度、止まることを気にせず使える気軽さは、忙しいビジネスパーソンにとって心強い味方だ。近年は時計産業の進化により、クォーツであっても外装仕上げに妥協のないモデルが急増している。ロマンを取るか、圧倒的な利便性を取るか。自身のライフスタイルを冷静に見つめ直すことが、購入後の後悔をゼロにする鍵となる。