かつて昭和の家庭における料理のバイブルといえば、NHKの老舗番組『きょうの料理』だった。一流の料理人が画面越しに教える基本の極意は、日本の食卓の質を高め、南蛮漬けのような手間の伝承に大きく貢献した。
そして令和の現在、レシピ情報の主戦場はデジタルへと移行した。月間数千万人以上が利用するクックパッドや、ショート動画で直感的に調理手順がわかるクラシルなどのプラットフォームでは、「フライパン1つで完成」「漬け込み5分」といったタイパ重視の南蛮漬けアレンジが爆発的な人気を博している。
時代が変わっても、魚を美味しく食べたいという人々の欲求と、それを支える知恵のアップデートは止まることがない。