栗花落カナヲのルーツは、あまりにも残酷だ。親から日常的な暴力と貧困に晒され、感情を殺さなければ生きていけない極限状態の環境で育った。彼女の心を救い出したのは、胡蝶カナエと胡蝶しのぶの姉妹である。買い叩かれていく途中で救出されたカナヲは蝶屋敷で保護されるが、自力で意思決定ができない彼女のために、カナエから贈られたのが「指示がない時はコインを投げて決める」という選択手段だった。
自らの意志を持たなかった少女が、仲間との深い交流を経て徐々に自我を芽生えさせていくプロセスは、単なるバトルアクションの枠を超えた人間ドラマの真骨頂である。彼女にとってコインは、世界との唯一の接点であり、同時に傷ついた自己を防衛するための固い殻でもあったのだ。