このパン文化の進化は、単なるグルメの話題にとどまらない。直方商工会議所もまた、パン屋をきっかけとした人の流れとまちづくりに大きな期待を寄せている。観光資源としてのパン屋巡り(ベーカリーツアー)が活性化することで、商店街全体の回遊性が高まり、周辺のカフェや雑貨店にも波及効果が生まれているのだ。
業界団体である日本パン工業会の関係者も、「地方都市における個性的ベーカリーの台頭は、製パン業全体のボトムアップのみならず、地域の飲食業全体を刺激する好例」と評価する。原材料価格の動向など課題はあるものの、小規模ながら高い付加価値を提供する店舗が増えることで、直方市全体のブランド価値向上に寄与していることは間違いない。