神宮球場のアナウンスで「ピッチャー、石川」の名前がコールされると、スタンドから湧き上がる歓声はどこか温かい。ファンは知っている。彼が勝つ日も、打ち込まれてマウンドを降りる日も、決して言い訳をせず、真っ直ぐに現実を受け止めてきたことを。
雨の日の冷たいマウンドでも、猛暑の夏のゲームでも、彼はいつでも変わらぬ姿勢で投げ続けてきた。親子二世代で石川を応援しているというファンも珍しくない。「カツオさん」の愛称で親しまれ、ツバメファンにとって彼は家族のような存在だ。神宮のマウンドとスタンドを結ぶ絆は、四半世紀という年月をかけて熟成された本物のドラマである。