真瀬樹里のキャリアを語る上で欠かせないのは、母・野際陽子から受け継いだ凛とした気品と、父・千葉真一から直伝された本格的な殺陣の技術である。日本大学藝術学部で殺陣を学び、自ら殺陣教室を主宰する彼女の実力は、業界内でも別格の評価を受けている。
かつてクエンティン・タランティーノ監督の『キル・ビル Vol.1』において、千葉真一と共にアクションシーンの構築やスタント指導に携わった経歴は、彼女が単なる俳優にとどまらない「技術の伝承者」であることを示している。刀の抜き方ひとつ、足捌きひとつに込められた日本の伝統美とダイナミズムを、彼女は誰よりも深く理解している。
母・野際陽子の持つ知的で深みのある台詞回しと、父の野性味あふれるアクション哲学。この二つの偉大な才能を一身に浴びて育った真瀬樹里は、舞台や映像で自ら演じるだけでなく、次世代へアクションの精神を伝える架け橋として唯一無二のポジションを築いている。