彼のタレントキャリアにおいて、燦然と輝く金字塔と言えば、フジテレビ系で放送された伝説の超大型音楽番組『夜のヒットスタジオ』での司会ぶりだ。芳村真理との息の合ったコンビネーションは、日本の歌番組における司会スタイルの決定版として今なお語り継がれている。
当時の生放送現場は、まさに一触即発の緊張感に包まれていた。画面に映る華やかさの裏で、タイムスケジュールは常に分刻み。分厚い歌詞カードの差し替えやセットの転換、緊張で固まる出演歌手たちのケアなど、現場の空気はピンと張り詰めていたという。そんな緊張を瞬時に和らげたのが、彼の放つ軽妙な洒脱さと、即興のダジャレだった。
「本番前の楽屋回りやリハーサル中、歌手の方々の表情をずっと観察していました」と、後に明かされた裏話からは、彼の卓越したプロフェッショナル精神が垣間見える。生放送中に突然ハプニングが起きても、瞬時にジョークへ変換して笑いに変え、出演者もスタッフも救う。あの絶妙なフォローは、計算し尽くされた緻密な観察力と優しさがあってこそ可能だったのだ。