1980年代から90年代にかけて、トランプの野心はビジネスの領域を遥かに超えていた。タブロイド紙を賑わせ、テレビ番組をジャックし、自らを「成功の象徴」として売り出すブランディング戦略だ。当時の青年実業家たちの中でも、彼の自己顕示欲は群を抜いていた。
その執念を象徴するのが、大ヒット映画『ホーム・アローン2』へのカメオ出演である。彼が所有していたプラザホテルでの撮影許可を出す条件として、トランプは「自分を劇中に登場させること」を映画製作者側に突きつけた。ロビーで主人公の少年ケビンに道を教えるわずか数秒のシーン。富と名声をエンターテインメントに変換するこの嗅覚は、後の国民的テレビ番組『アプレンティス』のホスト抜擢、そしてホワイトハウスへの道へと直結していく。