今冬の諏訪湖は、シベリア高気圧の周期的な南下に伴う一時的な強烈寒波と、周期的に訪れる南岸低気圧の影響がせめぎ合う、極めて予断を許さない気象パターンを描いている。気象庁の長期データおよび地域観測網の記録を独自に分析すると、御神渡りの成立に絶対不可欠とされる「マイナス10度前後の最低気温が数日連続する無風の夜」という条件が、大寒から立春にかけての短いウィンドウに凝縮されていることが判明した。
湖面の状態は、部分的な薄氷が張っては日中の日差しで融解する「部分結氷」を繰り返す日が多く、完全な「全面結氷」への到達にはギリギリの冷え込みが求められる。例年、八剣神社の神職らが毎朝6時半から行う観察記録によれば、氷の厚みが10センチを超えて安定するかどうかが運命の分かれ目だ。今季の気流配置を見る限り、突発的な寒気の居座りがあれば一気に競り上がり現象が発生する可能性を残しつつも、平年を上回る寒暖の乱高下が結氷の定着を阻む綱渡りの状況が続いている。