受験指導の現場やSNS上では、定期的に「国公立大学の個別記述試験で1/6公式を使うと0点にされる」「高校の教科書に大々的に載っていない裏ワザだから減点対象だ」という言説が飛び交います。この噂の真偽を大手予備校の指導方針や大学入試の採点基準に照らし合わせると、明確な境界線が存在します。
結論として、「途中式を一切書かずに公式の名前と答えだけを書く」と減点される可能性が高いですが、「定積分の立式と因数分解の形を示した上で結果を書く」のであれば、満点答案として処理されるのが採点の現実です。
採点官が確認したい評価ポイントは、「受験生が面積を求めるための正しい立式を行えているか」「上下関係と積分区間を把握しているか」の論理的整合性です。面倒な代入・四則演算の過程そのものは採点基準の主眼ではありません。
減点を確実に防ぎ、かつ計算時間を最小限に抑える「模範的な記述テンプレート」は以下の通りです。
【減点を回避する合格答案の書き方】
「求める面積 $S$ は、放物線と直線の交点 $x = \alpha, \beta$($\alpha < \beta$)より、
$$S = \int_{\alpha}^{\beta} \left\{ (mx + n) - (ax^2 + bx + c) \right\} dx$$ $$= -a \int_{\alpha}^{\beta} (x - \alpha)(x - \beta) \, dx$$ $$= \frac{|a|}{6}(\beta - \alpha)^3$$
よって、$S = \dots$」
このように、被積分関数が $-a(x - \alpha)(x - \beta)$ と因数分解できることを1行挟むだけで、採点官に対して「積分の原理を理解した上で計算処理を行っている」という明確な意思表示になります。公式名をアピールするのではなく、数学の必然的帰結として等式を成立させることが記述答案作成の秘訣です。