制度導入から年月が経過した今、若年層の投票動向には明確な傾向が現れています。制度が初めて適用された2016年の参議院選挙における18歳の投票率は46.78%を記録し、当時の20代全体の投票率(約35%)を大きく上回る高い関心を示しました。しかし、その後の18歳投票率の推移を追うと、国政選挙を重ねるごとに緩やかな低下傾向が見られ、選挙によっては30%台後半から40%台前半で推移しています。
特に顕著なのが「18歳と19歳の投票率格差」です。高校などに在籍し主権者教育を受ける機会が多い18歳に比べ、卒業して新生活を始める19歳は投票率が10ポイント前後低くなる傾向が定着しています。
制度運用の蓄積によって、18歳選挙権のメリットとデメリットも鮮明になってきました。
主なメリット:
- 学校教育現場における主権者教育(模擬選挙や政策討論など)が本格化し、政治的リテラシーの向上につながった
- 若者向けの雇用・教育無償化・奨学金制度の拡充など、若年層を意識した公約が各政党から打ち出されるようになった
- 早い段階から社会参画の権利を持つことで、当事者意識が芽生えやすくなった
主なデメリット・課題:
- 少子高齢化の人口構造上、若年層の絶対数が少ないため、選挙結果全体に与える影響力が限定的であるという無力感を生みやすい
- 高校卒業後の進学・就職に伴う引越しで手続きが滞り、政治への関心が急激に薄れてしまう「19歳の壁」が存在する