日本全国のファミリーマートで毎日何百万人もの耳に届いているこの音、実は「ファミリーマートが音楽制作会社に特注した曲」ではありません。
この楽曲の原曲名は「大盛況(だいせいきょう)」。手掛けたのは、現代邦楽の指揮者や作曲家として名高い稲田康(いなだ やすし)氏です。
稲田氏は1970年代後半、松下電工(現・パナソニック)からの依頼を受け、住宅や店舗向けのドアホン・チャイム用メロディとして複数の楽曲を作曲しました。その中の一つが、のちに国民的メロディとなる「大盛況」でした。「訪れる客を心地よく迎え入れ、店舗が商売繁盛するように」という願いを込めて名付けられたこの小品は、無駄を削ぎ落とした機能美と音楽的気品を兼ね備えています。