無限城での激闘の末、猗窩座は日輪刀で首を斬り落とされながらも頭部を再生させ、鬼としての新たな次元へと到達する。通常であれば勝利が確定したはずの局面で見せたその執念は、観客に本物の畏怖を与えた。
だが、極限の進化を果たした彼が土壇場で目にしたのは、愛する恋雪の幻影であり、自らが最も嫌悪していた「弱者を痛めつける醜い己」の姿だった。鬼舞辻無惨の呪縛と脅迫を退け、彼は自らの拳で自らの身体を打ち砕くことを選ぶ。強さの頂点に立ちながら、誇りを取り戻すために自ら幕を引いたその最期。これほどまでに壮絶で高潔な引き際が、かつて存在しただろうか。