『Fate/stay night』における彼女の第一印象は、圧倒的な脅威であり、同時に悲痛な宿命を背負った少女だった。狂戦士(バーサーカー)を従え、氷の如き冷徹さと無邪気な残酷さを覗かせる初登場のシーンは、当時のプレイヤーに強烈なトラウマと不可逆の衝撃を植え付けた。
しかし、物語が進むにつれて明かされるのは、彼女が背負う残酷な血統の呪縛だ。聖杯戦争の器として作られた人工生命体(ホムンクルス)という逃れられない運命。父・衛宮切嗣への愛憎、そして異母弟である衛宮士郎との間に芽生える絆。絶望的な未来を受け入れながらも兄を守るために微笑む姿は、作品屈指の名場面として今も語り継がれている。
一方で、スピンオフ作品『Fate/kaleid liner プリズマ☆イリヤ』の存在が、彼女のキャラクター像を決定的にアップデートした。悲劇のヒロインという重厚な背景をベースに持ちながら、普通の小学生として笑い、悩み、魔法少女として戦う「IFの日常」。この光と影の劇的なギャップこそが、二大潮流となってファンの心を掴んで離さない最大の理由である。