福岡市は国家戦略特区としてスタートアップの誘致やIT人材の育成を積極的に推進してきた。その結果、高スキルなエンジニアやクリエイターの市場価値は高騰し、年収数千万円規模の求人も珍しくなくなっている。
だが、その光の影には、物流や清掃、店舗接客といったエッセンシャルワークに従事する労働者との格差拡大という現実が存在する。スタートアップ企業の活況が街全体の家賃や生活コストを押し上げる一方で、最低賃金近辺で働く層の生活水準は相対的に圧迫され続けているのだ。
都市としての華やかさが増す一方で、足元の労働基盤が揺らぐ「二重構造の歪み」。この格差をいかに埋めるかが、今後の福岡の成長を持続可能なものにするための鍵となる。