冷しラーメンの歴史は、決して平坦なものではなかった。終戦から間もない昭和27年、蕎麦屋として営業していた創業者が、馴染み客から「夏には冷たい蕎麦があるのだから、冷たいラーメンも食べてみたい」と声をかけられたのがすべての始まりだ。
しかし、ラーメンのスープを単純に冷やすだけでは、スープに含まれる脂肪分が白く固まり、到底口にできるものではなくなる。ここから職人の長い試行錯誤が始まった。脂を取り除くタイミング、植物油との配合比率、そしてスープのコクを損なわない絶妙なタレの調整。3年の歳月を経て完成したスープは、常識を打ち破る発明だったのだ。