ネット上で頻繁に使われる「自治体ガチャ」という言葉は、配属先の自治体や集落によって隊員の生活環境や成功確率が天と地ほど変わる不条理さを表しています。受け入れ体制がずさんで失敗を繰り返す自治体には、明確な共通項が存在します。
第1に、「ミッションの丸投げ」です。採用計画の段階で隊員に何を求め、どのような成果を期待するのかが定義されておらず、「とりあえず予算がつくから募集した」「若い人が来れば何か面白いことをやってくれるだろう」という安易な動機で受け入れています。具体的な目標や支援計画がないため、着任後に隊員が途方に暮れる事態に直結します。
第2に、「役場担当者の頻繁な人事異動」です。地方自治体では2〜3年周期で職員の異動が行われます。熱心にサポートしてくれていた担当者が突然異動になり、後任としてやってきた職員が「前任者が勝手に決めたことだから分からない」と梯子を外すケースが日常茶飯事です。行政側の引き継ぎ不全により、活動費の執行が滞ったり、進めていたプロジェクトが白紙撤回されたりする被害が発生します。
第3に、「地域住民への根回し・合意形成不足」です。役場主導で採用を決めたものの、実際に隊員が暮らす集落の住民に対して十分な説明がなされていないパターンです。住民側からすれば「税金を使って都会から遊んでいる若者がやってきた」と映り、最初から敵対的な目で見られることになります。受け入れ側の準備不足こそが、隊員を孤立させる最大の引き金となっています。