レモン酢を仕込む際、多くの人が直面する最大のハードルが「苦味」と「皮の安全性」です。ネット上でも「皮ごと漬けて本当に安全なのか」という議論が頻繁に交わされています。
海外から長距離輸送される輸入柑橘類には、カビの発生を防ぐ目的でOPP(オルトフェニルフェノール)やTBZ(チアベンダゾール)、イマザリルなどの防ばい剤(ポストハーベスト農薬)が使用されているケースが一般的です。皮ごと漬け込む場合、これらの成分が酢に溶出するリスクを避けるため、基本的には「国産の無農薬レモン」または「ノーワックス表示のある国産レモン」を選択することが絶対条件となります。
やむを得ず市販の通常レモンを使用する場合は、粗塩を擦り込んで流水で強く揉み洗いするか、食用の重曹水(水1リットルに重曹小さじ1)に1分ほど浸した後にスポンジで擦り洗いする下処理が不可欠です。
もう一つの難敵である「苦味」の主原因は、果皮の白い部分(アルベド)に含まれるリモニンやナリンギンといったポリフェノール化合物、および種です。これらを完璧に抑えるためのプロの苦味を取る方法は以下の2点に集約されます。
まず、レモンの両端の厚い皮を切り落とし、表面の黄色い皮(フラベド)だけをピーラーで薄く剥き、白いワタ部分を包丁で完全に削ぎ落としてから果肉をスライスする手法です。さらに、スライス断面に見える「種」を竹串で一粒残らず取り除くことで、渋みやエグみのない澄んだフルーティーな酸味のみを抽出することが可能になります。