物語が進行し、新世界の猛者たちが「武装色の覇気」で肉体を硬化させ、「見聞色の覇気」で未来を予知する戦いを繰り広げるようになると、読者の間である疑問が再燃します。「当時すでに懸賞金10億4000万ベリーを誇っていたシャンクスが、なぜ近海の主ごときに腕を食いちぎられたのか?」という問題です。
この謎を解き明かす鍵として、作中の緻密な状況証拠から以下の現実的な要因が指摘されています。
第一に、「時間的猶予の極端な欠如」です。ヒグマが放った煙玉によって視界を奪われ、小舟で沖へ逃げられた状況下で、シャンクスは海に投げ出されたルフィの元へ超人的なスピードで泳ぎ着きました。近海の主の牙がルフィに届くコンマ数秒の刹那、自身の身を盾にしてルフィの身体を抱き抱え、安全圏へ逃がすことだけに全神経を注いでいたため、自身の防御へ覇気を回す余裕が皆無だったという分析です。
第二に、「ルフィへ生涯消えない覚悟を刻み込むため」という意図的な選択です。シャンクスは海の世界の冷酷さ、一瞬の油断が死に直結する厳しさをルフィに骨身に染みて理解させるため、あえて自らの肉体を犠牲にして「命の重み」を教え込んだという見方が有力視されています。