鈍色の正しい読み方は「にびいろ」です。現代では漢字の音読みから「にぶいろ」と読まれるケースも散見されますが、伝統色彩学や古典文学の分野では「にびいろ」が正式な呼称として定着しています。「鈍(にび)」は「鈍い(にぶい)」と同根の言葉であり、刃物の切れ味が落ちて光沢を失った状態や、感覚が沈み込む様子を表す古語に由来します。
JIS慣用色名やデジタルデザインにおける標準的なカラー数値は以下の通りです。
- HEX(カラーコード):#727171(媒体によっては #6C6B6B や #7D7D7D など、明度60〜65%前後の無光沢グレーとして定義)
- RGB値:R: 114 / G: 113 / B: 113(赤・緑・青の各成分が均等に近く、わずかに鉄色を帯びたニュートラル設計)
- CMYK値:C: 0% / M: 0% / Y: 0% / K: 65%(系統色名:暗い灰色 / ダークグレイ)
染色技法としては、クヌギやドングリの傘を用いる「橡(つるばみ)染め」の抽出液に、鉄分を含んだ泥や鉄漿(かね)を媒染(ばいせん)させて発色させます。植物タンニンと鉄イオンが結合することで、単なる白と黒の混色では生み出せない、「金属的な鈍い光沢を内に秘めた暗灰色」が完成します。